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2018年07月05日 事業承継税制が変わりました

関東では梅雨明けしたようですが、富山ではここ数日間は猛暑のち大雨で夏本番はもう少し先のようです。

今回の税務通信のテーマは「事業承継」です。高齢化社会を迎え、相続がクローズアップされていますよね。
高齢化した中小企業経営者の悩みは、後継者、技術の伝承など様々なものがありますが、中小企業経営者自身が所有する株式の相続も大きな問題ではないでしょうか。
日本の中小企業の大半は同族会社であり、相続問題で自社株の相続も事業承継の大きな障壁となっています。従来事業承継税制による納税猶予制度はあるのですが、対象となる株式数や雇用要件の確保など利用しにくい様々なリスクがあったことで、適用を見合わせるケースが多いのが実情でした。平成30年度税制改正では「特例事業承継税制」として納税猶予が利用しやすい制度として、10年間の期間限定の措置として創設されました

制度の概要

 先代経営者が後継者に非上場株式等を贈与・相続した場合に、その納税を猶予を受けることができる制度です。今回の30年度改正によって、事業承継の際の贈与税・相続税の納税を猶予する「事業承継税制」を、今後5年以内に特例承継計画を提出し、10年以内に実際に承継を行う者を対象とし、抜本的に条件を拡充しました。

緩和された適用入口の条件(実情に合わせた多様な事業承継を支援)

(現行)納税猶予の対象となる株式数には2/3の上限があり、相続税の猶予割合は80%(贈与税は100%)、後継者は事業承継時に多額の贈与税・相続税を納税する必要があった。また、現行税制の対象となるのは、一人の先代経営者から一人の後継者への贈与・相続される場合のみであった。
(改正)対象株式数の上限を撤廃し全株式が適用可能になり、納税猶予割合も100%に拡大することで、承継時の税負担がゼロになりました。また、親族外を含む複数の株主から、代表者である後継者(最大3人)への承継も対象になりました。
(簡略すると)相続税の場合、猶予割合は現行80%であり、株式数の2/3に達するまでですので、猶予されるのは2/3×80%=53%のみだったが、対象株式数の上限を撤廃(2/3→3/3)、猶予割合を拡大(80%→100%)することで、事業承継時の贈与税・相続税の現金負担がゼロになります。

税制適用後のリスクを軽減(将来不安を軽減し税制を利用しやすく)

(現行)後継者が自主廃業や売却を行う際、経営環境の変化により株価が下落した場合でも、承継時の株価を基に贈与税・相続税が課税されるために、過大な税負担が生じうる。
税制適用後、5年間で平均80%以上の雇用維持が出来なければ猶予が打ち切りとなっていた。
(改正)売却額や廃業時の評価額を基に納税額を計算し、承継時の株価をもとに計算された納税額との差額を減免。経営環境の変化による将来の不安を軽減した。
税制適用後、5年間で平均80%以上の雇用条件を未達成の場合でも、猶予を継続可能(経営悪化等の理由の場合、認定支援機関の指導助言が必要)となった。

納税猶予を受けるための手続きの流れ

①承認計画の策定
 まずは2023年3月31日までに「承認計画」を作成し、都道府県へ提出します。

②贈与又は相続の実行
 2027年12月31日までに、実際に相続又は贈与を行います。

③適用要件を満たしていることの承認を受ける
 相続・贈与後は都道府県に申請し、認定を受けます。

④税務署への申告
 認定書の写しとともに、贈与税又は相続税の申告を行います。

⑤申告後の届出等
 申告後5年間は、毎年都道府県及び税務署への報告・届出などの手続きが必要となります。

今回の税務通信は、平成30年度税制改正にょる事業承継税制についての紹介でしたが、更に詳細について適用の有無などは次回税務通信にて紹介させていただきます。

参考資料 TKC「税務通信」7月号、中小企業庁「平成30年4月1日から事業承継税制が大きく変わります」

(松村)